醜慣


仕事をしていると、日々の実生活の習慣や癖が不図出る。
悪い癖も良い癖も、仕事をするプロセスの中のちょっとした瞬間に顕わになる。



だらしない生活を行っている人の仕事っぷりは雑なことこの上ない。
それが習慣化してしまっているから、注意されても中々なおらないし、自分で分かっていても是正していくのはかなり高い意識と集中力が必要になってくる。

だから本気で自分の仕事を洗練させていこうと考えるなら、仕事以外の生活、プライベートからまず変えていかなければならない。


…と、言うだけなら簡単だが、実践するとなると中々…いや、
物凄く難しい。


何せ誰の監視下にあるわけでもない自由な空間で、すぐにダラけそうになる自分を律し続けなければならない。
自分自身(という最も得体の知れない者)から追い立てられ続け、それに耐える忍耐力が必要になってくる。


当然、追い立てる側も自分なわけだから、つまり
「自分の尻尾を追い駆けまわす犬」
の如きプロセスを行う事になる。

自分の尻尾を追いかけるなんてのは子犬ならまだしも、成犬は絶対にやらない。

だって『つまらない作業』だってことが分かっているから。
耐え忍ぶ事が必要だ。


それでも追いかけ続ける事が出来る人は、
高い目的意識から来る向上心か、焦燥感からくる向上心か
どちらかを持っている場合が多い。


いずれにせよ、自分の仕事を洗練するには、かなりの忍耐力と向上心が必要になってくる。
感動を呼ぶ仕事は、日々の地味なプロセスの積み重ねの上にあるものだと、思う。